画家志望と余った絵の具

【無題】吉田絵美作品

私、画家志望の吉田絵美は絵の具を余らすことが苦手な方の絵描きである。

何せ、使う画材はアクリルだ。すぐに乾く。乾く、という事は、「絵の具のまま保管するのが難しい」という事だ。油彩、水彩は残しておいてもまた次回使うことができるが、アクリルはそう簡単には「残しておく」ができない。密閉密着でラップしても、翌日なら既に6割はもう使えなくなっている。
しかも、乾いた色と、乾いていない色にそこそこ差がある。自分が何色と何色を、どれくらいの分量で混ぜたのか。未熟な私は過去のパレットを見ても思い出せないことが多々ある。

【無題】の製作について

【無題】吉田絵美作品

私は赤が好きなので、赤ならだいたいわかるが、青系統は手も足も出ない。アクリル絵の具を出したら、迅速に使い切らないと後が辛い。
私は不透明を示す「ガッシュ」のアクリル絵の具を多用しているが、不透明と言いながらこやつは結構下の色が透けるのだ。私は原色を愛しているので、少しの濁りも避けたいのである。

描きたいものを描き切るには、スピード感が大事だ。特に私のような、他の人には見えないものを描いている画家は。何せ写真に残せないし。誰に聞いても知らないよって言われること間違いなしだ。乱高下を繰り返す私の気持ちは、あっという間に流れ変化するので、私はいつも必死である。

【無題】吉田絵美作品

私は良く、「あなたの頭の中を見てみたい」と言われるが、私からすれば、絵という形で表現している、私が怯え恐怖し魅入られる大海原が、すぐ側にある変化し続ける銀河が、他の人の頭の中には無いと言うことの方が不思議だ。「どこから発想したの?」と言われても、常に頭の中にあるやつなので、発想も何も、と言うのが答えになってしまう。

私は私が何を考えているのか、よく分からない。「流暢に喋るのに、そんなバカな!」とも言われるが、私自身としては、言いたいことや感じていることを、正しく表現できている気がしないのが言語を使った会話になる。何せ、元がこういう絵のような状態なのだし。

【無題】吉田絵美作品

絵の中で言えば、金や銀の線は最も理性に近いもの。
これが掬ったり、丸め込んだり、突き刺すことができたなら、初めて私の中にある謎の物体Xは言葉になる。できなかったやつはそのまま背景に溶けていく。あとで拾い上げるともう違う形なので、感情というものはとにかく曖昧な存在である。

【無題】吉田絵美作品

このF3は、前回の→【無題(管理No.F3_2020_RED_1)】と同じく、公募用100号の背景を塗った時の余りの絵の具で背景だけを決め、→【無題(管理No.F3_2020_ RED_1)】と同じ日に仕上げた1枚となる。F3は画面が狭いので、あまり沢山の事象を映せない。F30くらいだったらもっと背景は細かく読んで描くが、夜空程度のゆったりとしたグラデーション止まりで描いた。

これが「嬉しい」なのか、「悲しい」なのか、もはや私には判別などつかない。
とりあえず「怖い」では無さそうなので、私はこの話を過去にして明日に向かおうと思う。
作品のお披露目に関しては、→5月の展示に使うかも知れないが、小さい絵なので確約はできないし、そもそも気軽に「お越しください」と言える状態ではないので、まあまたの機会に観ていただければ幸いである。

【無題】吉田絵美作品

さて、起業家セミナーで教わった通り、「日々の自分を全て書いて晒していけば、貴方は画家になれるでしょう」という、なんかの宗教みたいな言葉に則って、こんなどうでも良すぎる話を一体誰が読むだろうかと悩みつつ、書き散らさせていただきました。苦情も何も受け付けませんので悪しからず。1通打つのに1時間以上悩んでしまうのでコメント返信はいたしません。申し訳ありません。

ではでは本日はこれにて。お付き合いありがとうございました!

 

(2020.4.5執筆【無題(管理No.F3_2020_BLUE_01)】)

吉田絵美 画家志望日記

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