謎に包まれているガラス工房の道具あれこれPART3!
今回はガラス切りハサミ「シェアー」と「ダイヤモンドシェアー」
の違いについての説明です☆
ハイ、こんにちは、こんばんわ?
キラピカ☆ガラスアートクラブ
部長の吉田絵美です(・∀・)
さて今日も
⇒吹きガラスの窯の種類の話
⇒吹きガラスで使う「ジャック」と言う道具について
に続きまして、
「シェアー」と
「ダイヤモンドシェアー」
と呼ばれる
ガラス切りハサミについての
ざっくり説明となります☆
吹きガラスのシェアーとダイヤモンドシェアーとは?
シェアー、ダイアモンドシェアーと言うのは、
吹きガラス工房では
まだ熱いガラスを切るハサミのこと(・∀・)
母校ではシェアーと呼んでいたこっちのハサミ↓
は、カップシェアーとも呼ばれており、
主にコップを作るときに使う
口切りバサミになります。
別に種切り、
ガラスの塊を切るのに
使ってもいいんですけども(;^ω^)
種切り専用なのが
ダイヤモンドシェアーになるんですヨ☆
なんか見た目が優美なハサミですよね~↓
とりあえずどっちも
紙 は 切 れ ま せ ん。
もちろん布も切れませんのであしからず(・∀・)
ゴツイし重いしすべらかでもないので
女子大生の小さな手では扱いにくい道具でしたね~(;^ω^)
シェアーとダイヤモンドシェアーの切れ味の違い!
では種切り も できるシェアーと
種切り専門! の ダイヤモンドシェアーの
切れ味の違いについて。
まー形状から見てわかるかなー?
とも思いますが図にするとこんな感じ↓
残念ながら写真が用意できず恐縮ですが(;^ω^)
シェアーのほうが
シャキンとシャープに、
ダイヤモンドシェアーの方が
トゥルンと言う感じに丸っこく切れます。
気持ち丸いくらいなので、
シェアーで全部対応するのもアリですが
やっぱり微細な部分こそがね、
アートの要ですのでネ!
コップの取っ手一個つくるにしても
丸い方が美しいデザイン沢山ありますもの。
まあ私はどっちもロクに使いこなせないうちに
大学卒業しちゃった口ですが(;^ω^)
良いんだい、私は吹きガラスで作りたいのは
板ガラス(ロンデル)なんだからッ
と言うことにしておきます(・∀・)
じゃあシェアーってどんな時に本領発揮になるの?
カップシェアー、口切りバサミとも呼ばれてる
このハサミは、
コップの飲み口を作るときに
最も本領を発揮するガラス切り用のハサミになります。
基本のガラスコップの工程は
①下玉を吹く
②首をジャックで作る
③二度目のガラスを巻いてくる
③紙リンで成形しジャックで首をもう一回作る
④グローリーでガラスを温めなおしてから
重力や遠心力、マーバーで転がしたりして縦にガラスを伸ばす
⑤パドルかタグリオで底を作る
(都度再加熱、紙リン・ジャック等でも成形)
⑥ポンテを作って底に装着
衝撃を与えて竿から外す
⑦飲み口を整える
⑧グローリーでガラスの温度を均一に戻してから
徐冷炉へ入れる
と言う展開になるんですが、
⑦の飲み口を整える、
の技のちょっと上級編で利用するんです(・∀・)
ほら、
ガラスの飲み口って厚いより
薄い方が飲みやすいじゃないですか?
私はへたっぴだったので
ろくに成功しなかったんですが、
ピンサーと呼ばれる道具で
衝撃で割れ落としてる元くびれ、
飲み口をぐいぐい伸ばして、
ガラスが熱いうちに
チョキチョキとカップシェアーで切り落とすと、
口当たりのいいコップにできるんですネ☆
ピンサーでガラスを伸ばすのも熱ければ、
シェアーでガラスを切るのも熱いし、
しかもガラスはあっという間に冷めるし硬くなってくるし、
この作業、時間勝負がきつく
途中でグローリーに戻ることもできないので(;^ω^)
しょっちゅう割ってしまって
残念な思いをしていた学生は私です|ω・)
ジャックだけで口を整えようとすると
コップ全体が伸びてしまうし、
そもそも飲み口は元はわざとくびれさせた部分で
ガラスが厚めだったりするので
初心者が作ると本当使い勝手の悪い
コップになるんですよね~(T_T)
まさに職人芸です。
奥が深いよガラスアート☆
ではでは今回はこの辺で。
さらっと流した
ピンサーやらタグリオについての説明は
また後日改めてさせてもらいます☆
お付き合いありがとうございました~(・∀・)